北国大学生の雑記帳

とある地方大学生です

「西洋美術史入門」読みました

今回も読書レビューです。3月にヨーロッパ旅行をするので、それを少しでも楽しめたらなという思いで西洋美術のいい入門書を探していました。例のごとくAmazonやらブログやらを当たりまくっていたところよさそうな本を発見しました。それがこれ!「西洋美術史入門

 

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これはこんな方にお勧めです。

・美術の楽しみ方がわからない

・美術史の外観をサクッと知りたい

・そもそも美術を研究して何がしたいの?

 

 

僕としては最初の「美術の楽しみ方がわからない」に該当していました。そしてその目的はまあまあ達成できたのではと思います。まあまあというのは、この本はほんとに基礎の基礎のアウトラインだけなので、興味を持ったところを自分でさらに調べていくというスタイルが良いと思います。

 

 

備忘録もかねて軽く振り返りたいと思います。

そもそも美術史は何を目的としているのか。著者によるとそれは「人間を知ること」。現在の社会とは違って昔は識字率が異常に低く、一般大衆に何かメッセージを伝えるとなれば絵しかなかったのです。だから美術作品にはそれが書かれた意図があることが多いです。本書の中にある例でいえば「聖セバスティアヌス」の絵。これは聖人の一人で、当時の皇帝に処刑されたのですが、その後復活します。当時のヨーロッパではペストの大流行が起こっており、そのためこの絵には願掛け的な意味合いがあったと筆者は説きます。

また、当時の画家はパトロンに向けた絵画を描いていたので、彼らの趣味嗜好によって絵画も変化していっているようで、そこを見ることによっても当時の世界がみえてくる。なお、パトロンとは絵を買う人や集団のこと。皇帝や教会、富豪など。

でも、すべての絵に何かしらの意図があるわけではないとも思う。美術史という学問が対象としているのはそのような限られた絵画作品だけを対象とする学問なのだろうか。少し疑問が残る。

 

 

次に絵の見方について。本書の中ではいくつかの方法を提示している。イメージやシンボル、アレゴリーアトリビュートなどだ。イメージは矢印何かのような何かを象形文字のようにしたもの。シンボルはイメージに何かしらの意味を加えたもの。ハト(平和)やシャボン玉(はかなさ)などである。アレゴリーはシンボルを組み合わせて全体でさらなる意味付けをするもの。アトリビュートは人物にかかわりのあるものを書き込むことにより書かれている人物は誰なのかを暗示するもの。髭の生えたおっさんに鍵を持たせれば聖ペテロになる。現代風でいえば赤い服を着た女性に黒い電話を持たせれば平野ノラ、みたいなことだろう。ちなみに先ほどの聖セバスティアヌスの例でいえば体に無数に刺さった弓矢がアレゴリーの役割を果たしている。

また、抽象派の絵の見方についても書いている。抽象派の絵が写実的でないのには意味があるのだ。抽象派の絵は画家が見た刹那の風景を描いている。そのため写真のような絵ではむしろそのような刹那の瞬間を伝えられないのだ。

ここに挙げたのはもちろん本書で紹介されている絵の見方のすべてではないが、今まで絵というものを見たまんまで良さをフィーリングで感じるしかないと考えていた私にとっては新たな発見であった。今後も絵の見方については勉強していきたい。

 

 

 

本書で得られたことを簡単にまとめる。いままで絵の見方なんて何もわからず、そもそもそんなものなどないと思っていた私にとっては視野を広げていただいた気分です。絵の成立背景や絵に込められた暗喩、当時の社会情勢など、周辺知識があるだけで絵というのは全然違った見方ができるというのがわかりました。